「市販品のバレエウェアが着られない」そんなあなたの欲しいものはここにあります!

届けられなかったオーダーウェア

 
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クラシックバレエとソーイングが大好きなアラフィーです。夏の暑さにも負けず、冬の寒さにも負けず、先生のお小言にもめげず、レッスンとウェア制作に励んでおります。座右の銘は「一生現役」。得意なパはピケターン。キトリのカスタネットのソロを踊るのが目標。

おいでくださりありがとうございます。バレエウェアコーディネーター 結月ななです。

今回は、今の私のルーツになった、一つのターニングポイントについてお話します。

私の原点となった一枚の型紙

現在、私の手元にあるバレエウェアの型紙には、亡くなられたR先生専用のものがあります。

先生が、一番気に入っていた、シルエットの巻きスカートの型紙です。

最初に、先生に巻きスカートの作成を頼まれたとき、先生のお気に入りのスカートをお借りして型紙をとらせていただきました。それを先生の好みに合わせてカスタマイズし、「R先生専用」として、新しく型紙を起こしたものです。

その型紙を使って作成したスカートの出来上がりを、先生はとても気に入ってくださり、それ以降、ずっと色違いの同じ形をオーダーしてくださいました。本部でのレッスンの際にも、着用して参加しておられたようです。

後になって、R先生と仲の良かった本部の別な先生から「Rさん、最近凄く素敵な巻きスカート着てるから、どこで買ったのか作ってもらったのかって聞いたんだけど、言わないのよ。」という話を聞いて、R先生が本部の衣装制作の方への影響を考慮して、私が作ったものだということを一切口外されていなかった事がわかりました。

そころは、私はまだ本部でのレッスンには参加しておらず、舞台デビューなどということは考えもしなかった時期でしたから、名前を出したところで特に問題もなかったのですが。

それでも、R先生は余計な波風を立てたくなかったのでしょう。細やかなお気遣いをなさる方でしたから。そのため当時、私のウェア作成は、先生の大人クラスでだけの秘密になっていたわけです。

あらためて、「先生は私の作ったスカートを本当に気に入ってくださっていたんだなぁ…」と、嬉しい反面、寂しい気がしました。

届けられなかったモーヴ色のウェア

先生が体調を崩されたばかりのとき、すぐに復帰するものと信じていた私は、元気になられたお祝いにウェア一式をプレゼントしようと思って、先生によく似合うモーヴ色の布地を、トップスからスカートまで一式をそろえて待っていました。

最後の電話で、そのことをお話すると、とても喜んでくださり「柄は入っていないわよねぇ。私、柄が入っているのは好きじゃなくて」と、チェックまで入りました(笑)

ウェア一式お届けできる日が来るのを信じて、喜んでもらえるのが楽しみで、先生の復帰を心待ちにしていたのですが、残念ながら、とうとうその日が来ることはなく、先生は旅立っていかれました。

とても楽しみにしてくださっていらしたので、いつか、先生のお墓参りに行って、お墓の前に備えてあげたいと思っています。

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クラシックバレエとソーイングが大好きなアラフィーです。夏の暑さにも負けず、冬の寒さにも負けず、先生のお小言にもめげず、レッスンとウェア制作に励んでおります。座右の銘は「一生現役」。得意なパはピケターン。キトリのカスタネットのソロを踊るのが目標。

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