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【笑い話】パ・ド・ブレで逆戻りした私

2019/06/03
 
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クラシックバレエとソーイングが大好きなアラフィーです。夏の暑さにも負けず、冬の寒さにも負けず、先生のお小言にもめげず、レッスンとウェア制作に励んでおります。座右の銘は「一生現役」。得意なパはピケターン。キトリのカスタネットのソロを踊るのが目標。

私のサイトにおいでくださりありがとうございます。結月ななです。

今回のお話は、本来のウェアの話からちょっと外れた内容になります。

「パ・ド・ブレ」 なぜそこで右に行く???

バレエをされているあなたなら、絶対に知っていて、毎回レッスンで必ず一回は出てくるであろうパ「パ・ド・ブレ」。

さすがに、習い始めて14年がすぎたので、現在は「パ・ド・ブレ」って言葉が出てくれば、ささっと体が動きます。

しかし…

習い始めて3年目くらいまで、私は「パ・ド・ブレ」が覚えられなかったのです。というか、頭では理解しているのですが、いざ動き出すとどうしてもできない。なぜか、私だけがほかの人と逆方向に進んでしまうのです。

「なんでそこで右(もしくは左)に行くの(怒)!!」

…どれほど先生に怒られたか分かりません。

基本の「パ・ド・ブレ」は「左、右、右、右」

一番基本的な「パ・ド・ブレ」は、右足前5番から、右足プリエで左足を左に出して、次に右足前5番のルルヴェに立ち、右足を右に一歩出し、左足前の5番プリエで降りますよね。簡単にすると「左、右、右、右」へ進むこととなります。

つまり、最初の足は左に出すけれど、進むのは右方向になるわけです(右足を出す場合は逆)。ところが、当時の私は、左に足を出すまではいいのだけれど、どういうわけか右に戻すことが出来ずにそのまま左に進んでしまっていたのです。「左、左、左、左」となるので、周りの人と逆になるわけですね。

なぜなのか分からないのですが、どうしても「出した足を戻す」ということが出来なかったのです。思い出すと、今でも「穴があったら入りたい」ほど、恥ずかしい話です。

「目標をもたないと上達につながらない」

とにかく、大人になってからバレエを始めたとはいえ、私の物覚えの悪さは際立っていました。

先生のデモを見て、周りの人がサクッと覚えて踊るのに、私にはそれが出来ない。悔しかったし、辛かったです。当時はまだ、舞台に立つなんてことを考えたこともなかったので、ちょっと気が乗らないとレッスンをさぼることも多かったという、マイナス要素も大きな理由でした。「目標をもたないと上達につながらない」といういい例かもしれません。

出来ないことを悔しいと思うけれど、何も改善しない…そんな時期は7年にわたりました。せっかく、子供のころからの念願だったバレエを始めたというのに、自分の身体が動かないことを理由に、物覚えが悪いことを理由に、惰性だけで続けているような状態になっていました。

突然、降ってわいたような転機がやってきた!

しかし、それは突然ふってわいたように「舞台発表に出る」ということが決まった時に、180度変わったのです。

舞台当日まで、タイムリミットは3か月。最初の話では「ちょっと出てひっこむだけでいいのよ」ということだったのですが、私以外の人の振りの覚えが想定外に良かったため、追加追加で振付が増えていき、最終的には合計すると3分も踊ることになってしまい…。とにかく、必死で振付をおぼえることに相成りました。

「舞台で踊るのに、お客さんがいるのに、自分だけできないのはどうしてもいやだ」その時の私の中にあったのは、ただ、それだけでした。

「諦めなければ必ずできるんだ」と身をもって知った日

あの3か月は、これまでの人生の中で一番努力をした日々だったかもしれません。

とにかく、毎日練習を繰り返しました。ウオークマンに音楽を落としてもらい、ちょっとでも時間があれば聞きながらイメージトレーニングをし、仕事の休憩時間は、人気のないのを見計らってトイレの廊下で踊りました。家に帰ってからは、家事の合間に廊下で踊りました。

後になって、今レッスンを受けている先生に「初めて舞台に出る人が、あの短期間で、よくあれだけの振りを覚えたよね」と感心されましたが、人間必死になると出来るものなんですね。諦めなければ、必ず出来るようになるんだと身をもって知った経験でもありました。

でも、「とりあえず振付を覚えられた」というだけで、出来については、全く納得できるものではありませんでした。緊張から思うように踊れず、一番の見せ場で大失敗をしてしまったこと、そして結果的に、R先生とご一緒できた最初で最後の舞台になってしまったからです。

今は笑い話になった「7年間パ・ド・ブレが出来なかった私」

一つ目の壁を越えて舞台に出てから、長年のつきものが落ちて、ほぼ空白の7年を取り返すかのように、私はバレエに取り組み始めました。必死になってレッスンを受けるうちに、あれだけ苦しんだ「パ・ド・ブレ」も、すっと足が動くようになりました。

そうして初舞台から7年。2年前、初舞台で踊ったのと同じ演目をもう一度踊り、あの時の大失敗をリカバーすることが出来、5年越しでトラウマを乗り越えました。今年の12月には8回目の舞台が決まっています。もし、あの時、「私にはできません」と舞台に出るチャンスを断っていたら、今はどうなっていたのでしょうか。バレエをやめていたかも…と思うと怖い気もします。

「パ・ド・ブレ」も出来なかった私が、今は毎年舞台に立っているのです。レッスンでパ・ド・ブレを踊るたびに、今でもちょっとくすぐったい気持ちになります。なので、バレエを始めたばかりで、なかなかパが覚えられないと悩んでいる人を見つけると、笑い話として「7年間パ・ド・ブレが出来なかった私」のことを話します。

「諦めないで繰り返してレッスンすれば、絶対にできるようになるから大丈夫!」っていう一言を付け加えて。

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クラシックバレエとソーイングが大好きなアラフィーです。夏の暑さにも負けず、冬の寒さにも負けず、先生のお小言にもめげず、レッスンとウェア制作に励んでおります。座右の銘は「一生現役」。得意なパはピケターン。キトリのカスタネットのソロを踊るのが目標。

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