さあ行こう!スポットライトを浴びに!!
おいでいただき有難うございます。結月ななです。
いきなり梅雨が明けて急に暑くなりましたが、レッスン頑張っていらっしゃいますか?。熱中症は思っているより簡単に発症しますから、体調にはくれぐれも気を付けてくださいね。
とうとう今年も、年末の舞台の振付が始まりました。まだ振り写しの段階ですが、4年位前に踊ったことがある演目なので、少し記憶が残っていて、棒立ちにならずには済んでいます(;^_^A
ちなみに、この記事を読んで下さっているあなたは舞台を経験したことがありますか?。きっと、ほとんどの方が私より経験豊富ですよね。
上手くなってから舞台に出ようなんて思わなくていいの
私には、毎年この時期になると思い出すことがあります。
8年前、私が最初に舞台に挑戦したとき、「一番の見せ場で振りをミスる」という大失敗をしたことは別の記事で書きました。それが物凄く悔しくて、一回だけで終わる予定だったのに、そのずっと継続して出演しているわけなのですが…(;’∀’)。
舞台での大失敗で落ち込んだ後、以前とは比べ物にならないくらい真剣にレッスンするようになった私を見て、R先生はとても喜んでくださいました。その時にお聞きした一言で、その後も機会があるごとに、繰り返しおっしゃってくださった言葉があります。
「上手くなってから舞台に出ようなんて思わなくていいの。舞台に出ながら上手くなればいいのよ。」
確かに、舞台に出ることになると、普段のレッスンに加えて振付も加わりますから、レッスン量自体が格段に増えます。上手な人の踊りを見る機会もあります。それを見て真似してみることで、動作が身につき、きれいに踊るための下地が作られるんですね。私自身、一つの舞台が終わったあと、それまで出来なかったはずのパが難なく動けるようになっていて、驚いたことは1度や2度ではありません。
今まで出来なかったことが、ちょっとでも出来るようになるとやっぱり嬉しいですよね。なので、「もっとうまくなろう、次の舞台ではもっとちゃんと踊れるようになろう」と普段のレッスンにも気合が入るようになることが、ある意味「舞台で踊る」ということの相乗効果なのかもしれません。
「舞台に出ながら上手くなればいいのよ」
今、この言葉は、毎年、初舞台の出演に悩む新しいお仲間さんに、R先生の遺言として伝えることにしています。
申し訳ないなんて思わなくていい
それともう一つ、R先生に頂いた言葉で忘れられない一言があります。
それは、R先生が体調を崩して間もなくの時期(まだ病の全貌が発覚していない時期)のことでした。代わりの先生のレッスンになって最初の日、終わった後、R先生からメールが来ていて、それには心配そうに「どうだった?」と書かれていました。
「上手く踊れなくて、(Y先生に)迷惑かけてしまって申し訳なかったです」私はそう返信しました。
すると、R生からの返信は意外なものでした。
「教える側に申し訳ないなんて思わなくていいの。できないで当たり前なのよ。そのために先生がいるの。」
「最初から出来たら先生はいらないでしょう。そんなこと気にしないで、一生懸命頑張って覚える姿勢が大切なの。」
この言葉に、目から鱗が落ちる思いでした。
周りがすぐにできる人ばかりだったので、同じことを教わりながら、自分は出来ないことが申し訳なくて落ち込みかけていた私を、R先生のこの言葉が救ってくれました。
「出来ないことを、先生に申し訳ないなんて思う必要はない」
出来ないと落ち込んでしまうのではなく、できるまで繰り返し頑張ればいい。先生はできるまで教えるのが仕事なのだから、遠慮しないで教わればいい(現実は、物覚えの悪い生徒に対して、できるまで根気よく付き合ってくださる先生は中々おりませんけどね(;^_^A)。R先生は、そんな無理をお願いできる数少ない先生でした。)
まだ病の正体が発覚していなかったこの時期、R先生はほどなく体調が回復してレッスンに戻れると考えていらしたので、やっと本気でバレエに取り組む姿勢を見せ始めた私に対して、がっつり指導できることをとても楽しみにしていたのです。私も、元気になったR先生から、ガチンコでバレエを教わる日を心待ちにしていました。
その日はとうとう訪れませんでしたけれど…ね。
魔物さん、お手柔らかに
「舞台に出ながら上手くなればいいのよ」
「出来ないことを、先生に申し訳ないなんて思う必要はない」
この2つの言葉は今も私の中にあって、上手くできなくて落ち込みそうになるたびに蘇ってきます。それを支えに、私は今年も舞台に挑むのです。
今回は舞台の魔物さんのご機嫌が良くて、上手く踊れますようにと祈りながら。