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今だから言える話 とうとう本番!今でもトラウマの花のワルツ(泣)

2021/04/16
 
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クラシックバレエとソーイングが大好きなアラフィーです。夏の暑さにも負けず、冬の寒さにも負けず、先生のお小言にもめげず、レッスンとウェア制作に励んでおります。座右の銘は「一生現役」。得意なパはピケターン。キトリのカスタネットのソロを踊るのが目標。

当日の朝に起こった小さな奇跡°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

お読みくださりありがとうございます。

今だから言える話、「ダイエットとボルタレン…」からの続きです

あっという間に時間は過ぎてとうとう舞台本番当日…

ここで信じられないことが起きたのです。

当日の朝、目が覚めると、鎮痛剤が2時間持たないほどひどかった膝の痛みが嘘のように引いていたのです。

完全に痛くないのではありませんがあれほどひどかった激しい痛みも、パンパンだった腫れも10分の一くらいになっていました。(アドレナリンが出まくったせいですかね?)

これなら、念のための鎮痛剤とテーピングだけで行ける!!

一番の心配の種がちょっとだけ軽くなって、神様に心から感謝しました。

初めての舞台メイクの出来上がりは〇ヴァンコフ…(@_@;)

でも、バレエの発表って始まるまでの時間がやらとかかるのです。

出番は午後の一番遅い時間なのに、支度で楽屋入りを指定されたのは早朝8時。髪だけは、先に自宅でシニヨンにして、スプレーとジェルでガチンガチンに固めてくるように指示されました。

ちなみに、バレエのメイクって、きれいとかきれいじゃないとかは二の次で、遠くから見て、顔がのっぺらぼうにならないように作るので素晴らしくド派手です。(バレエ教室によって違いはあると思いますので、これはあくまでも私の教室の場合なのをご理解くださいませ。)

まず、顔をはじめとした上半身全体の白塗り。首、デコルテ、背中、腕から手の甲、手のひらまで塗ります。

次に「真っ青」なアイシャドウをがっつりと、次に黒のアイラインを目の上下にひき、〇ヴァンコフ(注 one-piece参照)ばりのつけまつげを装着。眉は太く、長く、くっきりと鮮やかに描き、ノーズシャドウとシェイディングは外国人ばりにみっちりと入れ、真っ赤な口紅でとどめを刺します。

最後の仕上げは、目頭と目じりに白のアクセントラインをパパっとつけて終了。慣れない作業なので、出来上がるまでに小一時間かかりました。

…鏡に映っていたのは「誰???」って思うくらい、別人28号のワタシの姿でした。で、とどめの衣装がピンクで頭には花冠です。

拍手したくなるくらい「似合わねぇ…」と思いました。

まあ、踊るのが花のワルツだから…仕方ないんだけど、あまりのミスマッチに、開始前から既にテンションがダダ下がりの私でした。

最大の見せ場は難波歩き(´;ω;`)ウゥゥ

メイクが済んで、最後の確認が済んで、あとは本番を待つばかりとなってから数時間。待ちくたびれて、あくびが出始めたころ、やっと、出番になりました。

しかし、それまで緊張のかけらもなかったのに、いざ舞台袖に入ると、足元からピリピリが昇ってきて心臓がバクバクし始めました。

やっぱりビビりで小心者なんですよね、私。

せめて体だけでもほぐそうと、端っこに行ってストレッチを始めたとたん、私を見つけたR先生が駆け寄ってきて、緊張にとどめを刺されてしまったのです…

「舞台はやり直しの聞かない一発勝負だからしっかりね!!」

出来の悪い私をいつも心配してくださっていたので、それから出た一言だったのだろうと思うのですが、結果的にこの一言が、私の緊張をマックスにあげてしまったのでした。

ただでさえガチガチになっていたところに、さらにプレッシャーが加わった状態で、私の初舞台は始まることになり…。

その結果

一番の見せ場で、振付が難波歩きに…(´;ω;`)ウゥゥ( ノД`)シクシク…
※注 難波歩きとは、手と足が一緒に出ることです…

ちなみに、その部分が、私が最後の最後まで覚えきれなかったメインの振付だったのです(´;ω;`)ウッ…。バレエを知ってる方なら即わかる、「ソテ-ソテ-グランジュテ×2」で舞台を横断する、もっとも目立つ部分の振付でした

同じパが二つ続き、左右を切り替えなくてはならないのですが…。1回目は何とかなるけれど、2回目がどうしてもうまく切替えられず、手と足が一緒に出てしまうことの修正が、最後の最後まで間に合わなかったのでした。

一番最後の演目で、一番盛り上がる曲で、しかも一番目立つ部分だったので、ばっちり踊れたのなら、それはまあ美しい一場面になるはずだったのですが…。

よりによって、その一番目立つところで、満員のお客さんの注目の中、私は実に見事な「難波歩き」を披露してしまったという…

「間違えた!!」と思った瞬間、背筋にスーッと冷たいものを感じて、それ以降の記憶はありません。残りの振付、よくフリーズしなかったもんだと、それだけは自分をほめてやりたいです。

舞台袖に戻った瞬間から、もー悔しくて悔しくて悔しくて…。痛い足をなだめながら、3か月間必死になって練習したのに、その苦労が反映されなかった…その口惜しさたるや、言葉になりませんでした。

とにかく悔しかった。

練習してきたことをしっかり出せなかった自分が情けなかったのです。9年たっても思い出すたびに、できるならもう一度やり直したいと思う、私の初舞台の黒い苦い記憶です。

おかげさまで「花のワルツ」は、しばらく前までトラウマでした。聞くたびに「難波歩き」が蘇って、ドーーーっと落ち込んでいました(初舞台から5年後、やっとリベンジできたので今は大丈夫になりましたが(o^―^o)ニコ)

なのに、年がら年中、そこここで流れてるんですよ。

「花のワルツ」

気にしてるから耳につくのか、耳につくからさらに気になるのか。

「私に対する嫌味かいっ!!」って言いたくなるほど、場所も時期も選ばず、ふいに流れてきては私を打ちのめしてくれてました。 ( ノД`)シクシク…(一番腹立ったのは、大嫌いな上司のスマホの着信音だったこと!!)

しかし、この悔しさを味わいながら、私は自分の中で変わり始めた部分があることに気が付いたのです。

それは、「もう一度舞台に出て失敗しないで踊りたい!。リベンジしたい!!」という気持ちでした。

その変化に一番驚いたのは、誰をあろう私自身でした。当初は冥途の土産((笑))にするつもりで、一度きりの予定でトライしたはずの舞台だったのに。

人間の気持ちって、想定外に不思議なものですね。

「また、バーレッスンから始めましょう!」

それから数日して、私は思っていることを正直に書き、R先生にメールを送りました。

あれだけ練習したのに大々的にミスって、R先生にはかなーーーり呆れられたろうな…とは思いましたが、叱られるのを覚悟のうえでも、お話せずにはいられなかったのです。

「悔しいです。」から始まるメールに返ってきた返事は
「嬉しいです。」という言葉でした。

え???(@_@)

想定外の一言でした。

続いてこう書かれていました。

「ななさんが、本気でバレエに取り組む気になってくれて本当に嬉しい」 

「出来なくて悔しいと思うことはとてもいいこと」            

「また、バーレッスンから始めましょう!」

叱られることを前提に恐る恐る連絡したのに、「失敗して悔しい」といった私を先生は喜んでくれたのでした。

とても嬉しかったことを今もよく覚えています。

習い始めて7年たって、やっと本腰を入れてバレエに取り組む決意をしたと。「マジのバレエ」を、ガチで教えられる!と喜んでくれた先生。

「今年の舞台は絶対にいい踊りをする!」と心に誓いました。

それからというものの、舞台という目標が出来たことで、こんなに変わるなんてと思うくらい、上手になりたいと、一回一回のレッスンを大事にするようになりました。

おっくうだったはずの毎週のレッスンは、とても楽しくて充実したものになっていきました。

しかし、それはつかの間の幸せだったのです。

続きます。

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クラシックバレエとソーイングが大好きなアラフィーです。夏の暑さにも負けず、冬の寒さにも負けず、先生のお小言にもめげず、レッスンとウェア制作に励んでおります。座右の銘は「一生現役」。得意なパはピケターン。キトリのカスタネットのソロを踊るのが目標。

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